
日本上座仏教修道会では、淨心庵・瞑想堂開庵25周年にあたる仏暦2561年11月3日に三宝の師である、バッダンタ・ウ・ケサラ大長老とバッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老のお二人の大恩師を導師として、総勢20名の比丘サンガによって、シーマー(戒壇)認定儀式を行いました。近い将来その土地の上にシーマー(戒壇)の建物と、仏塔を建立いたします。
日本上座仏教修道会のシーマー(戒壇)は、ちょうど20年前の1996年7月28日(日)、ミャンマー国より、バッダンタ・ウ・ケサラ大長老とバッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老を含む8名の比丘サンガを迎え、シーマー(戒壇)の認定儀式を行って以来、尊く存在し続けました。
淨心庵から徒歩10分のところにあるシーマー(戒壇)の場所は、2011年東日本大震災をきっかけに大きな損傷を受け、シーマー(戒壇)の周りにある建物を解体しました。以後現在に至るまで、補修を重ね維持して参りましたが、このたび、淨心庵精舎敷地内に、シーマー(戒壇)を認定し、仏塔を建てる運びとなりました。
⇒第1回 ・ご挨拶
・ケサラ大長老をはじめ10名のミャンマー比丘サンガご来庵
・シーマー(戒壇)土地解除の儀式の準備
⇒第2回 ・比丘サンガによる「シーマー(戒壇)の土地解除儀式」
・比丘サンガによる 「シーマー(戒壇)認定儀式」
⇒詳細 ・シーマー(戒壇)内・外結界八つの方角に結界石を埋める儀式
・比丘サンガによる 「シーマー(戒壇)認定儀式」
⇒第3回、第4回 ・「カティナ シーワラ ダーナ」 儀式(お釈迦さまが褒められた衣を供養する儀式)
・「サンガ ウポサタ」の儀式 ~ 比丘サンガの戒律の儀式 ~
⇒第8回 21年間存在した 上座仏教修道会の「旧シーマー(戒壇)土地解除の儀式」
⇒ 淨心庵シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立 吉祥なる定礎記念:ご挨拶とご報告
⇒ 淨心庵シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立 吉祥なる定礎記念:ご挨拶とご報告2
⇒ 淨心庵シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立 起工安全吉祥記念:ご挨拶とご報告3
Sima「シーマー」とは、パーリの言葉です。日本語では、「戒壇(授具足戒の場)」と訳されています。
比丘サンガが戒律の確認を行う聖なる特別な場所のことです。この聖なる特別な場所は、条件が揃わなければ存在することはできません。まず、比丘サンガが集まり、比丘サンガによって、シーマー(戒壇)の土地の場所・位置・領域が決められ、kamma vaca(羯磨儀規)という特別なお経を唱えることによって、完全なるシーマー(戒壇)として認められます。
このシーマー(戒壇)が在れば、見習出家から比丘出家になることができます。ブッダが顕れた時代から現在に至るまで、新月、満月のウポサタの日には、比丘たちはこの聖なる特別な場所で、お釈迦さまが決められた戒清淨になるためのパーリ偈文を念じ唱えられてきました。また、比丘サンガに供養された「カティナ・シーワラ」という特別な衣の儀式を行う時などにも、このシーマー(戒壇)は必要とされます。
このようにシーマー(戒壇)とは、比丘サンガが存在するために最も重要な場所であり、特別な聖なる場所なのです。比丘サンガが存在すれば、お釈迦さまの教えを伝えることができます。
「比丘サンガが存在するところは、シーマー(戒壇)が在る。シーマー(戒壇)が在るところには、比丘サンガが存在する。比丘サンガが存在するところはめでたい」
三宝、比丘サンガが存在するためのシーマー(戒壇)についての功徳は、輪廻解脱、涅槃に至るまで善い結果をもたらします。
11月3日新しい淨心庵戒壇は、ケサラ大長老によって「Sāsana Sirī Dhara Sīmā(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)」 と名付けられました。