上座仏教(テーラワーダ仏教・上座部仏教)とは

お釈迦様が涅槃され3ヶ月が過ぎた頃、お釈迦様より直接教えを受けたマハーカッサパ長老、アーナンダ長老を始めとした500人のアラカン(完全な覚り”アラカン道果の智慧”を得た比丘)がインド・ラージャガハに集い、”結集”を行いました。高弟たちは正しい教えがなくなったり変えられたりすることを懸念し、この会議においてお釈迦様ご自身が語られた教えをまとめ、経典を確立されたのです。第一結集と呼ばれます。

アラカン達によって一言一句漏れることなく正確に記憶されていた教えは、500人のアラカン達によって内容を確認され誤りや漏れがないか検討されました。正確なものであると認められたお釈迦様の説法はその数8万4千にのぼり、”経(2万1千)・律(2万1千)・論(4万2千)”に分けて編集されています。この経典をパーリ経典と呼びます。

上座仏教(テーラワーダ仏教)とは、このパーリ経典を”覚りに導くための正しい教え”であると信じ実践し守り続ける伝統的仏教です。主にスリランカ、ミャンマー、タイなど南方に伝えられました。

上座仏教の長老達は実践によって、お釈迦様の教えが完全であることを識っていました。それ故にどのような人々や団体から要求があっても、パーリ経典の内容や言葉を変えたり、勝手な解釈を加えたりすることを一切許しませんでした。最上の覚りを得られたお釈迦様の教えを正しく守り完全なまま次代へ伝えることは比丘の大切な役目であると長老方は語ります。

そのおかげで2500年を経た現在でも、我々はお釈迦様の直接の教えを聞き実践することができるのです。

お釈迦様の教えは心と物質の現象をゆるむことなく観察し見極めることから生まれた究極の真実です。真の幸福に至るために、”苦”とはどういうものであるのかを詳しく示し、”苦”の原因が渇愛であることを教えられました。そして”苦”を滅する方法とそのための正しい道を説かれたのです。

パーリ経典をひもとくとお釈迦様が、あらゆる心の状態と智慧の段階、涅槃の真実の姿を透明な智慧により様々な角度から説き示されていることがわかります。

日本上座仏教修道会のご紹介

1989年にこの会は発足しました。発足するにあたり、お釈迦様の教えは実践の道つまり八正道(戒・定・慧)の実践にあると考え、「日本上座仏教修道会」と名付けました。パーリ経を勉強し、ヴィパッサナー瞑想と仏教の教えを日常生活の中で実践すること、そして日本に正しい仏教が伝わることを願い活動を続けてきました。

現在は東京都新宿と茨城県鹿島郡大洋村にて定期的に勉強会と瞑想会を開き、インド・サルナートにある当会の精舎を拠点として仏跡の巡拝や瞑想実践も行っております。

1996年からは特別の御縁に恵まれ、ミャンマーのニャーヌッタラ長老を当日本上座仏教修道会長老としてお迎えし、ご指導を戴いております。2003年1月には法人格も取得しました。

ニャーヌッタラ長老はミャンマー国立仏教大学においてパーリ経の教師をされ、高等レベル比丘試験官を勤めておられた方です。パーリ経やアビダンマ、ヴィパッサナー瞑想を日本語で指導してくださいます。

ニャーヌッタラ長老の教えは内容が大変深く、しかも明快です。日本において今迄知ることが出来なかった仏教についての様々な疑問や教えの意味が、ニャーヌッタラ長老の説法によって一つ一つ解き明かされる思いをしております。

心の真実を識り実践するにつれ、日々の行為や想いが自らの苦しみと幸福の原因となることがはっきりと解ってきます。生きるための指針としてこれ以上の道はないと一同思いを深くしております。

お釈迦様の正しい根本仏教を解りたいと望んでおられる方に是非この教えをお伝えしたいと考え、WEBサイトを開設することに致しました。

日本上座仏教修道会公式サイト(初公開:2010年頃)

日本上座仏教修道会公式サイト
(初公開:2010年頃)

パーリ仏教に関心のおありの方、またパーリ仏教について質問のある方はどうぞご連絡をお寄せください。

また日本の地に上座仏教(テーラワーダ仏教)の道が根付くためには日本人のテーラワーダ比丘が出る必要があります。

上座仏教に関心が高まっており、比丘出家希望者もでてまいりました今、茨城大洋村に上座仏教比丘サンガが盛んになることを目指しております。

上座仏教比丘見習出家、比丘出家、尼僧を希望される方は見習い出家・比丘出家をご参照ください。

日本上座仏教修道会の沿革

1989年
スリランカよりスマナサーラ長老を招聘し上座仏教修道会を発足。
パーリ語聖典による勉強会、講演会、瞑想実践会など指導を受ける。
1991年
茨城大洋村に瞑想堂淨心庵を開庵。
1995年
スリランカキリタラマヤ寺に僧院を寄贈。
1996年
ニャーヌッタラ長老(ミャンマー国立仏教大学教師)を招聘し、お釈迦様の四聖諦に基づく八正道(戒・定・慧)の実践・修道の道が開かれる。同時にミャンマー高僧ケサラ長老、ミャンマー国立仏教大学パンディッタ長老、マンダレー・マハーガンダヨー高僧ウコンダラ長老他3名の高僧方によって、淨心庵近くにテーラワーダ・ダンマサーリSIMA(戒壇)を設ける。
また三省堂ホールにおいてチベット高僧、日本仏教僧、学者などを交えて“仏教再伝”と題したパネルディスカッションを開催。
1998年
インドサルナート精舎を建立。淨心庵とインドサルナートのための仏像が吉村鐵凡師によって完成。同12月28日第2回“仏教再伝”―現代にいきる仏教―と題したパネルディスカッションを日本仏教僧、学者、医師などを交えて催す。
1999年1月1日
ミャンマー高僧3名と共に渡印。サルナート精舎の新開堂儀式を行う。同1月5日~12日ミャンマー仏教大学、高名な僧院等を巡拝し、マハーガンダヨー僧院比丘800名に朝食をダーナ、仏教大学生1000名・村の子供たち200名に学用品を贈る。
2000年5月
「釈尊会」ニャーヌッタラ長老を導師としてチベット高僧、スマナサーラ長老、台湾尼僧、恩田彰先生等をお迎えして、東京大学仏青会講堂で開催。
2001年1月
ミャンマー タウンドウインジ ビジュノー近くのシャンカイン村に新レーサー寺建立と仏像を寄贈。日本から会員13名が参列し、ミャンマー僧50名、村人250名余りで祝典が開かれた。
2001年3月
“心の真実と生き方を探る”と題した特別研究会を始める。心理、医学、教育などの大学の先生方が集まり、“心・生命・人生”などについてニャーヌッタラ長老ご指導のもと年10回の研究会を開催。
2003年5月
新横浜観音寺において、アジア仏教友好協会主催による釈尊会が開催される。リーポンチェ長老、スマナサーラ長老、ニャーヌッタラ長老が導師として招待される。
2003年8月10日
日本人3名テーラワーダ比丘見習出家儀式が淨心庵にて行われ、戒律を護持し、瞑想修行に励む。
2004年1月
インド六大仏跡巡拝の旅に12名が参加。
2004年5月
新横浜観音寺主催により釈尊会が開催され、リーポンチェ長老、ニャーヌッタラ長老、観音寺住職により説法が行われた。
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