大掃除についての説法
2014(平成26)年12月
於 淨心庵精舎瞑想堂
お釈迦さまは大掃除について、14の義務の中の一つ、作務の教えについて説かれました。
その作務の教えの中で、比丘、そしてお寺に住んでいる人へのために、自分の身体、衣服、部屋、お寺の内外の掃除の仕方について、箒で掃くやり方まで詳しく、戒律の中で残らないように説かれました。お釈迦さまが、どのようなところでも、掃除して、清潔になるように片付けてください、とそのやり方まで教えられたのは不思議なことです。
例えば、この淨心庵では何を初めに掃除するのが善いでしょうか?
ある人は床から、ある人は屋根や窓から、ある人は天井から最初に掃除を始めます。
お釈迦さまは、始めに天井から掃除してください、と教えられました。
なぜ天井からでしょうか?
「天井には蜘蛛の巣、埃、塵がたくさんあります。
だんだん下へ向かって掃除します。
窓やドア、そして最後に床を掃除してください」
と、掃除の仕方について、上から下へ向かって掃除することを説かれました。
このようにお釈迦さまは、日常生活における教えから、道の智慧・果の智慧に至る教えまで、小さなことから涅槃に至るまで、一切の智慧で、戒・定・慧の実践について説かれました。
日常生活の中では母親の義務、父親の義務、息子・娘の義務などがあります。
他にも、顔を洗う、身体を洗う、服を洗うなど戒律の中で詳しく説かれました。
日本の国民はアジアの中で掃除が素晴らしい。片付いていてとても淨らかです。一年の最後に、大掃除を行うという習慣は善いことです。
今回大掃除に参加された皆さんは、遠くから1泊、2泊、3泊、日帰りとそれぞれ決めてお寺へ来ました。お寺の掃除なので皆さんの功徳はこちらに来る前から生じています。
お寺とホテルに泊まることは違います。お寺とはブッダ・ダンマ・サンガが存在します。その三宝の影の下で、1日でも、日帰りでも功徳を得ます。
お釈迦さまは、身体の掃除、心の掃除についても詳しく説かれています。
身体はアスバ(不浄)です。朝起きたら自分の身体は汗や目やになど汚いものが出て汚れています。朝起きてから夜寝るまで掃除をしてください。
朝起きたら、顔を初めに掃除します。不浄であるからお風呂などに入ってきれいにしないと汚い。服も臭いや汚れがないように洗濯してください。
部屋も片づけてきれいにしてください。きれいにすると禅定が出て心もきれいになります。
外も内も汚い時、淨らかにはならない。心が正しくない人、心がきれいでない人を観ると、汚い場所に住んでいます。
毎日顔の掃除、服の洗濯、部屋・家の掃除をしてください。心も淨らかになって智慧が出ます。作務には、小さな掃除、大きな掃除もあります。
みなさんは日本人に生まれ、仏教と出会いました。
普通の人は身体の掃除だけです。皆さんは心の掃除もしてください。
掃除をしなければ汚い心はもっともっと汚くなります。
心に貪り、瞋りが生じて汚れても心をきれいにしてください。心の掃除は箒や雑巾ではできません。
お釈迦さまが説かれたように、戒・定・慧を実践したら心は淨らかになります。心はきれいになります。
皆さんは家の中で慈悲の瞑想、ヴィパッサナー瞑想を実践しています。
そのとき、心も身体も淨らかです。心も身体も掃除すれば素晴らしいです。
お釈迦さまの教えを理解して、身体も心も掃除してください。大掃除もできるだけやってください。自分の心も大掃除してください。
戒定慧を実践して、戒清浄、心清浄、淨らかになります。幸せになります。