ニャーヌッタラ大長老の説法
34
お布施について(第5回)
2017(平成29)年8月12日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
お釈迦さまは、一切智慧、ブッダに成る原因を観察・洞察するとき、
dānaṁ va ādiṁ katvā, sambodhiṁca labhanti te
と、説かれました。
このパーリ偈文の意味は、次の通りです。
「昔々の仏陀たちは、布施をはじめとして、戒律、出家、慈悲、智慧、忍耐などを実践しながら、ブッダの智慧、一切智慧を得られました」
お釈迦さまは菩薩であったとき、ブッダの智慧、一切智慧を得て、涅槃へ至るために何を行うのが一番善いかと観察・洞察したとき、「ダーナ(布施)」を智慧で最初に観ました。布施に基づいて、布施の功徳を最初に実践しながら、そのほかの戒律、出家、慈悲、智慧、忍耐などを実践されました。
このようにお釈迦さまは、菩薩であった時期に、ブッダに成るために、一切智慧を得るために、「dāna pāramī(布施の波羅蜜)」を最初に実践しました。
輪廻解脱、涅槃を目指して、自分の身・口・意の行為を、昔から行われている聖者たちの淨らかな行為のように行うことを「波羅蜜」といいます。
布施の功徳は、昔々の聖者たちの行った功徳ですので、私たちも行うべきです。
このように布施の波羅蜜は深い行いですので、布施について正しく、はっきりとよく理解して、自分のできる布施を、信じる力とヴィパッサナー智慧を備えて行ってください、とセヤードーは話したい。