ニャーヌッタラ大長老の説法
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お布施について(第7回)
2017(平成29)年8月13日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
昨日に続いて今日も布施について話したい。
宿泊瞑想会での面接の中で、ある瞑想者が、布施より瞑想は難しいと言いました。
そのときセヤードーは「布施も難しいです。布施とは簡単ではない」と答えました。
昨日は「布施について四種の人」を話しました。
今日話したいことは、誰でも自分の体の力や智慧の力、努力して頑張って得た財産など、自分の物に執着しています。他人にあげたくない。布施もしたくない。ケチや物惜しみが強いです。
このままの心で、自分の家やお金など自分の財産について、渇愛、執着、ケチや物惜しみの心で亡くなれば、言うまでもなく餓鬼になります。自分の家、自分のお金、自分の財産に執着して、この煩悩で餓鬼に生まれることが多いです。
もう一つは、両親が亡くなった後、親の財産欲しさに兄弟が争う場合です。両親が亡くなった後、残された財産が欲しいですから、分けるときも意見が合わず、兄弟喧嘩をして、裁判までして争って、怒りが出て、恨みをもつ、このような兄弟も世界には多いです。
もしこのように亡くなれば、この財産についての貪り、怒り、恨みの原因で、当然地獄へ生まれます。
これは、無明に基づいての渇愛、執着、ケチ、物惜しみ、怒り、恨みなので、この財産についての煩悩は、輪廻の中で大変な苦しみになります。
自分の家、自分のお金、財産についての煩悩を消すために、一番大切なことは布施です。自分の財産の中から、少しづつ布施をしてください。
(次号へ続く)