ニャーヌッタラ大長老の説法
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お布施について(第10回)
2017(平成29)年8月13日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
布施の功徳を積んで執着・煩悩を消す
布施するとき、もう1つの大切な事は、布施をする人は自分のお金、財産について執着しないということです。「私はこのぐらい布施します」と自分で判断して布施してください。
一般的な人の場合は、布施とは自分の財産を相手に与えること、とこれくらいはわかっています。
皆さんは、お釈迦さまの教えについて勉強、実践しているので、ヴィパッサナー智慧も具え、布施の本当の意味を理解しています。
布施とは自分の物を相手に与えるだけではありません。自分が所有する物・財産に対する執着を捨てることもできます。
ですから、布施する人は、自分の煩悩も捨てる、消すこともできます。
特別な布施と普通の布施
お釈迦さまは、次のように説かれました。
「10,000円を布施したら物だけではない。10,000円についてのケチや物惜しみ、渇愛や執着もなくなります」
ヴィパッサナー智慧が鋭い人は、ここまで理解しています。物だけではない。この見方は普通の人では観えない。ですからこのような見方で布施する人は、布施の波羅蜜になります。これは「特別な布施」です。ほとんどの人は、布施の本当の意味をわからずに行っています。
「普通の布施」は、執着を捨てることまで観えません。布施には「普通の布施」と「特別な布施」の2種類あります。
(次号へ続く)