お布施について(第17回)
2017(平成29)年8月14日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
預流者であるアナータピンディカ長者のお布施
もう1つのお布施についての履歴として、預流者であるアナータピンディカ長者について、お話しします。
アナータピンディカ長者は、商売のために、自分の住んでいるサーヴァッティ町から、妹の主人の住んでいるラージャガハ町へ到達しました。義弟からこのラージャガハ町の近くの森の中でお釈迦さまが住んでおられることをお聴きし、身体全体に喜びが湧き起こりました。お釈迦さまにお会いして、説法をお聴きしたいことを、義弟に話しました。
翌日、アナータピンディカ長者は、お釈迦さまのところへ出向きました。お釈迦さまを尊敬合掌礼拝して、お釈迦さまの説かれた説法をお聴きし、過去の波羅蜜の功徳によって、ただちに智慧が生じ預流者になりました。
(当会マッジマ パティパダー通信No.54、55参照)
その喜びの心で三帰依を唱え「今日から命ある限り、三帰依を信じるUpqsakq優婆塞(うばそく)として受け入れてください」と尊敬合掌礼拝し、お願いしました。
預流者になったアナータピンディカ長者は、これからもさらに布施、戒律、瞑想などの波羅蜜を積んでいこうと決心しました。
そして、さっそくお釈迦さまと比丘サンガに「明日、食事供養を受けてください」と願い出ました。その時お釈迦さまは沈黙を以って受けられました。このことを耳にされたビンビサーラ王をはじめ、他の富豪たちも、一緒にご供養したいと申し出ましたが、すべてを断り、自分の仲間たちだけで、義弟の家で、お釈迦さまと比丘サンガに、マハーダーナ(特別な食事で布施)をしました。
(次号へ続く)