ニャーヌッタラ大長老の説法
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お布施について(第18回)
2017(平成29)年8月14日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
食事が終わった後、預流者になったアナータピンディカ長者は、ふさわしいところに坐り、お釈迦さまに次のように申し上げました。
「お釈迦さまよ、私はラージャガハ町の生まれではなく、サーヴァッティ町の生まれで、そこに住んでおります。ここラージャガハ町からサーヴァッティ町は遠いです。サーヴァッティ町の中でお寺を建てて供養いたしたいと思っています」
そのときお釈迦さまは、
「精舎となる地は、サーヴァッティ町から遠くもなく、近くもない、静かなふさわしいところであればよい」と答えました。
そのときアナータピンディカ長者は、喜び勇んで、ラージャガハ町から自分の生まれたサーヴァッティ町に帰って、自分の家族をはじめサーヴァッティ町の富豪たちとさっそく相談して、土地を探しました。そして、サーヴァッティ町の南の門から出たところにある、土地を見つけました。そこは、ジェータという王子が所有している公園でした。その公園を譲って欲しいと王子に頼みました。王子は「その公園に金貨を敷き詰めた分だけ譲る」と言いました。アナータピンディカ長者は、金貨を敷き詰め、大きなお寺を建ててお釈迦さまに布施いたしました。
このように、アナータピンディカ長者も、預流者になった後にも、布施をしました。預流者である聖者も布施することが、はっきり解ります。
アナータピンディカ長者が、お釈迦さまと比丘サンガのために建てたお寺が、今も存在しているあの祇園精舎です。
(次号へ続く)