お布施について(第21回)
2017(平成29)年8月15日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂
今日は10日間瞑想会の5日目。今日は特別な8日目のウポサタ(Uposatha)の日です。
比丘サンガの安居の時期でもあります。このウポサタの日に、10日間瞑想の中で瞑想者に会えたから嬉しいです。
ウポサタの日とは、お釈迦さまの御在世のときから今現在まで、仏教徒が三帰依と八戒をよく守る日です。自分の家では守れなくても、お寺の中や瞑想堂の中では守ることができます。瞑想者のためにも、作務の人々のためにも、今日のようなウポサタの日は、心を込めて三帰依と八戒を守り、作務の人は作務をし、瞑想者は瞑想を頑張ったら、このウポサタの日に守る三帰依の力・八戒の力で四悪趣には生まれない。三帰依の力・戒律の力によって、善い処(人間・神々・梵天)に生まれることができます。この三帰依の力・戒律の力に基づいて、禅定が高くなり、ヴィパッサナー智慧も具えて、道の智慧・果の智慧、涅槃に至るまで、因縁になります。だから、作務の人々も瞑想者も、今日は心を込めて、ウポサタの日と自分の心の中で決めて頑張ってください。
続けて話したいことは、昨日の布施についての続きです。聖者になった後も布施をするかどうかについて、この質問に答えます。聖者の預流者であるビンビサーラ王、アナータピンディカ長者も布施しました。アナータピンディカ長者の三女であるスマナディヴィは、預流者から一来者の段階になっても、続けて布施をしていました。
預流者であるヴィサーカーのお布施
ヴィサーカーという女性在家信者は有名です。ヴィサーカーは特別な人です。普通ではない。ヴィサーカーは、三宝を信じてお釈迦さまをはじめとして、比丘サンガに様々なたくさんの功徳を積みました。このヴィサーカーは預流者でした。
ヴィサーカーは、どこへ行っても常に金銀や宝石などで刺繍や装飾が施された、大蔓(おおかずら)(大宝鬘(だいほうまん))の装身具を身につけていました。他の普通の女性が身につけられないような宝を、過去の業(カルマ)、現在の業(カルマ)で、ヴィサーカーだけは特別に身につけることができました。
ある日、この宝に満たされた装身具を身につけていた預流者のヴィサーカーは、これらの宝飾品をどのように使うのがよいかどうか考えました。
「私が身につけるこの宝物を売ったお金で、お釈迦さまのお寺を作って供養するのが最も善い結果 をもたらします。」
それで自分の最上級の宝物の装飾布を売りました。売ったお金でサーヴァッティ町の東の門の近くにお寺を建てました。お寺を建てた後は、お釈迦さまをはじめとして比丘サンガに、「ヴィハーラ ダーナン サンガッサ デーマ」と、お寺を供養いたしました。
このお寺の名前は、サーヴァッティ町の東の門の近くにあることから、「プッバーラーマ精舎」と言われました。
このプッバーラーマ精舎にもお釈迦さまは住んでおられました。
(次号へ続く)