ニャーヌッタラ大長老の説法
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2月の特別な満月の日−1

2022(令和4)年2月15日
於 新・淨心庵戒壇

2021年3月開創一周年記念「Sāsana Sirī Dhara Sīmā(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)」建物2階

2021年3月開創一周年記念
「Sāsana Sirī Dhara Sīmā(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)」建物2階

お釈迦さまの仏舎利(中央)
サーリプッタ尊者の舎利(左)
モッガラーナ尊者の舎利(右)

仏暦2565年、令和4年(西暦2022年)2月15日(火)満月のウポサタの日、午前7時30分より、新しい淨心庵戒壇Sāsana Sirī Dhara Sīmā(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)において、朝の礼拝時に、大導師バッダンタ・ニャーヌッタラ大長老のご先導で「サンガ・ウポサタ」という比丘サンガの戒律の儀式が執り行われました。
その後、オーカーサ礼拝、三帰依と八戒を授かり、「2月の特別な満月の日」についてご説法を賜わりました。

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今日は仏暦2565年、ミャンマー暦1383年、西暦2022年、令和4年2月15日火曜日です。今日は満月のウポサタの日。日本の暦では、2月の満月の日。お釈迦さまご在世のインドの月では11番目の月の満月の日(māgha)です。今日、2月の満月の日は、特別な満月の日です。この満月の日にお釈迦さまは、諸仏が説かれたオーヴァーダ パーティモッカ(教え戒め・戒律)を弟子、比丘サンガたちに説かれました。
テーラワーダ仏教では、この満月の日を特別な日と認めて、毎年お寺に集まり記念日儀式が執り行われています。

今日は、この2月の満月の日の特徴について、セヤードーは説きます。今まで、日本人の皆さんに、説いたことがありませんでした。説きたかったですが、この時期は、毎年ミャンマー国での仏教活動のために帰国していましたし、色々な仕事もあり、説法する機会がありませんでした。また淨心庵戒壇建物は、昨年2月末まで工事中で中に入ることができなかったので、2月に建物の中に入るのは今年が初めてになります。
一年が経ち、淨心庵戒壇2階の仏像をご安置する場所も少しづつ整えられてきました。セヤードーが来日してからふさわしく集まった三宝に関係がある尊いお釈迦さまの仏舎利をはじめ、その両側には、お釈迦さまの右腕と呼ばれ智慧第一と称されたサーリプッタ尊者(舎利弗)の舎利と、左腕と呼ばれ神通第一と称されたモッガラーナ尊者(目連)の舎利を奉納し、今ここに存在しています。

このように、新しい淨心庵戒壇建物の中で、ふさわしい時期に、ふさわしい場所、ふさわしい日、ふさわしい仏舎利などが全部揃ったので、これから、三宝とお釈迦さまの仏舎利、両腕と呼ばれたサーリプッタ尊者とモッガラーナ尊者の舎利の前で、セヤードーは、お寺の皆さんと三宝の旅に参加された皆さんに、今日の「オーヴァーダ パーティモッカ(教え戒め・戒律)を説かれた日~2月の特別な満月の日~」についてかいつまんで説法します。皆さんは、心を込めてよく聴いてください。

今日の満月の日は、お釈迦さまが覚られてから9ヶ月が経った日です。サーリプッタ尊者は、この日阿羅漢になりました。その7日前の八日目のウポサタの日には、モッガラーナ尊者が阿羅漢になりました。阿羅漢になったのはモッガラーナ尊者が先です。モッガラーナ尊者が阿羅漢になった後、7日後の満月の日にサーリプッタ尊者が阿羅漢になりました。
このお二人は、他の比丘たちとは違い特別の比丘であり、お釈迦さまの第一の弟子となり波羅蜜はらみつの智慧が高貴な者で、後にそれぞれお釈迦さまから特別の説法を受けられた時、阿羅漢になりました。

サーリプッタ尊者は、比丘になって15日目の満月のウポサタの日、お釈迦さまと共にギッジャクダ山(霊鷲山りょうじゅせん)のスーカラカータという洞窟に住んでいました。その時お釈迦さまがサーリプッタの甥のディーガナカ遊行者にヴェーダナーパリッガハ(感受を遍取へんしゅし本質を識る)というディーガナカスッタと呼ばれる説法をしていました。この説法を近くで耳にしたサーリプッタ尊者は阿羅漢となりました。

(続く)

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