ニャーヌッタラ大長老の説法
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2月の特別な満月の日-3

2022(令和4)年2月15日
於 新・淨心庵戒壇

ヴェルヴァナ・ヴィハーラ(竹林精舎)仏教史上最初の精舎

ヴェルヴァナ・ヴィハーラ(竹林精舎)
仏教史上最初の精舎

2011年1月4日、日本上座仏教修道会は、「ビンビサーラ王が竹林精舎を、お釈迦さまをはじめ比丘サンガに寄進された場所」へ行き参拝いたしました。大長老の下会員19名は、竹林精舎のお釈迦さまが沐浴された池の前で、回向し随喜いたしました。

パーティモッカ
(諸仏の教えと戒律)の教示

“パーティモッカ”とは、ブッダの教えに従って戒を保つことにより四つの悪道(動物・餓鬼・地獄・阿修羅)から解放されることを意味します。そして諸仏(七仏通偈)の教えの要約とお釈迦さまが教えられた戒律を“パーティモッカ”といいます。そのパーティモッカには次の二つがあります。

  1. オーヴァーダ パーティモッカ
    (諸仏の教えを三つの偈文に要約したもの)
  2. アーナー パーティモッカ
    (227の比丘戒律)

この二つの中で①のオーヴァーダ パーティモッカだけをお釈迦さまがご自身で唱えて比丘たちに聴かせました。このオーヴァーダ パーティモッカ、三つの偈文は諸仏によって唱えられたものをお釈迦さまは、20安居の間だけご自身で唱えて比丘たちに聴かせました。その後20安居以降はサンガの中の比丘が罪を犯した時々にお釈迦さまが“戒”を決められウポサタの日(満月・新月の日)に比丘サンガが戒壇(Sīmāシーマー)の中に集まり、サンガの代表の一人がアーナー パーティモッカという戒律を唱えます。そして比丘サンガの全員がその“戒”のパーリ言葉の偈文を心を込めて善く聴きます。終わった後、サードゥ、サードゥと唱えて随喜いたします。
この行事はお釈迦さま以来現在まで続いております。テーラワーダ仏教の由縁です。

以上、話した「諸仏が教えられた3つの偈文」は、戒律・禅定・智慧の実践について、まとめて説かれた特別な法です。これら教えたとおりに、実践したら、比丘サンガでも在家信者でも自分の体の行為・口の行為・心の行為が淨らかになって、忍耐するべきことを忍耐して、積むべき功徳を積むこともできます。自分の積んだ功徳のエネルギーによって、老・病・死がある輪廻の苦しみから解放され、涅槃へ至ることができます。

比丘とは、一番大事なことは、カンティー(忍耐)です。この忍耐があれば戒律を善く守ることができます。だからお釈迦さまは、諸仏が教えられた3つの偈文の一番最初に、

Khantīカンティー paramaṁパラマン tapoタポー titikkhāティティッカー;

忍耐こそ最上の修行である、
涅槃は最高の境地である

と最も大切とされる忍耐を説かれました。

このように忍耐は大切なので、セヤードーは「何でも忍耐」の本を執筆しました。忍耐があれば、涅槃に行くことが出来ます。忍耐がなければ涅槃に行くことは出来ません。
この忍耐があれば、三帰依、戒律、布施、作務、慈悲の瞑想、ヴィパッサナー瞑想、回向まで、功徳を積むことが出来ます。忍耐がなければ、どんな功徳も積むことが出来ません。

1250人の阿羅漢比丘たちが揃う竹林精舎、お釈迦さまが覚りを得られて9ヶ月経った満月の日、サーリプッタも阿羅漢になったこの日、お釈迦さまは比丘サンガ1250人の前で「カンティ パラマン タポー ティティッカー、 ニッバーナン ワダンティ ブッダー」などの3つの偈文を説いた、と認めています。
ブッダの履歴の中で、お釈迦さまが覚りを得られて、9ヶ月経った満月の日についての特徴の説法は以上です。

今日の2月の満月のウポサタの日の特徴を結論として話すと、4つあります。

(続く)

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