お釈迦さまの聖髪がミャンマー国に奉納された由来Ⅱ-2
2023(令和5)年7月3日
於 淨心庵戒壇
三帰依の時代
お釈迦さまが初めて説かれた法<初転法輪>
お釈迦さまは、覚りを得てブッダに成った2ヶ月後、7月の満月のウポサタの日に、バーラーナシー(Bārāṇasī)町の鹿野苑の森の中で、ダンマチャッカッパワッタナスッタ(Dhammacakkappavattana Sutta)という、初転法輪経(四聖諦)をコンダンニャ(Koṇḍañña)・ワッパ(Vappa)・バッディヤ(Bhaddiya)・マハーナーマ(Mahānāma)・アッサジ(Assaji)という五人の修行者に説かれました。
コンダンニャは、お釈迦さまの四つの真理の説法をお聴きした後、預流道の智慧が生じ邪見と疑いが消えて、聖者の第一の段階であるソーターパンナ(Sotāpanna、預流者)になりました。
聖比丘サンガの誕生
この満月の翌日にお釈迦さまはこの森で安居に入られました。そして、その日にワッパ、次の日にバッディヤ、次の日にはマハーナーマ、そして次の日にはアッサジが、同じように預流者になり、五人の修行者はそれぞれ、お釈迦さまの前に、「エーヒ ビック(Ehi Bhikkhu)、来たれ、比丘よ」と呼ばれ、五人の聖なる比丘が誕生しました。
そして満月の五日後に、お釈迦さまは、五人の比丘たちにアナッタラッカナ スッタ(Anattalakkhaṇa Sutta)という無我相経を説かれました。
この説法をお聴きした五人の比丘たち全員は、そろって「アラハッタマッガ智慧(arahattamagga`qza)」という阿羅漢道の智慧を得て、煩悩を滅尽し、阿羅漢(Arahant)になりました。
このように、ブッダであるお釈迦さまの説かれた法(ダンマ)を聴いて、ここで世界において初めての五人から始まるアリヤサンガ(Ariya Saṁgha)という、尊敬されるべき聖なる比丘サンガが誕生したのです。
これから、「サンガン サラナン ガッチャーミ(比丘サンガの徳と恩を拠り所として、帰依致します)」という「帰依僧」が出来るようになりました。
ブッダ・ダンマ・サンガの三宝がこの世界に存在する、「三帰依の時代」は、ここから始まります。
(続く)
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