ニャーヌッタラ大長老の説法
07

新年の説法

2013(平成25)年1月1日
新年を迎えた朝の礼拝の説法
於 淨心庵瞑想堂

~身・口・意の行為が淨らかになるために実践する日は常にめでたい~

皆さんの身体の行為、口の行為、心の行為が淨らかになるように、最初に特別の日に特別な心で合掌して、「ナモータッサ バガワト アラハト サンマー サンブッダッサ」と、お釈迦さまご在世のとき、お釈迦さまを目の前にして直接に唱えられていた礼拝偈文を心こめて唱えます。この偈文の意味は「貪り・瞋り・無明などの煩悩から離れ、すべての正しい真理をご自身で識られ、栄光の徳に満たされた尊敬すべき、かのお釈迦さまに、私達は平成25年1月1日お正月の初めの日に合掌礼拝いたします」という意味です。この皆さんの礼拝の功徳によって今年は善い年になります。セヤードーは今年も皆さんのために善い年でありますようにと念じて慈悲を送っています。今日はめでたい日です。ですから最初に、この礼拝偈文をセヤードーは1回唱えます。皆さんは3回、心こめて唱えたあと、サードゥ、サードゥ、サードゥ」と唱えます。
「サードゥ」とは“善い”という意味です。心に喜びが生じて「よかった、よかった」などと賛意を表すときのパーリの言葉です。

それでは、セヤードーが唱えるように唱えましょう。

Namoナモー Tassaタッサ Bhagavatoバガヴァトー Arahatoアラハトー Sammāサンマー Sambuddhassaサンブッタッサ.

(全員唱和)

「サードゥ サードゥ サードゥ」

それでは、皆さんお楽にしてください。今日は特別の日です。平成25年、1月1日、元旦、初めの日です。今日はお正月10日間瞑想会の5日目です。瞑想者の様子も善いです。今回初めて参加した瞑想者も座る瞑想・立つ瞑想・歩く瞑想の基本となる実践について教えたので、大体できるようになっています。皆さんはお正月にお寺に入って、瞑想者は瞑想をがんばって、お寺の皆さんも、お世話の作務をする功徳行者の人々も、できるところから作務の功徳を積んで、布施の功徳を積んで、この淨心庵精舎で新しい年を迎えました。
日本のお正月のようなお餅やみかん、お花もあり、今朝はお正月の料理として、お餅のスープ、お雑煮をいただきました。そして、それだけではなく、この特別な新年の初めの日に、今回参加した瞑想者、お寺の作務をする功徳行者の人々が特別な心で自分の身体の行為、口の行為、心の行為が淨らかにするように実践しています。これが大事なことなのです。

新しい年にこのように、自分の善い意志である真のチェータナーをもって、やる気の心でブッダ・ダンマ・サンガの三宝を信じ、ブッダ・お釈迦さまの徳と恩、ダンマ・お釈迦さまの説かれた法の徳と恩、サンガ・お釈迦さまが2556年前から説かれた法がなくならないように守り、戒・定・慧を実践している比丘サンガの徳と恩を念じて、自分の身体の行為、口の行為、心の行為を淨らかにする日はめでたいです。お正月にあちこち行って過ごすより、このようにお寺に入り、三宝を信じて自分の身・口・意の行為が清浄になることがめでたいことです。そして、今日は10日間瞑想会の5日目なので、皆さんは瞑想に慣れてきて、心は淨らかになっています。

お釈迦さまの教えのなかで

《パダッキナン カーヤ カンマン ワーチャ カンマン パダッキナン》
padakkhinam kaya kammam vaca kammam padakkhinam

《パダッキナン マノカンマン パニディ パダッキネ》
padakkhinam manokammam panidhi te padakkhine

padakkhinam kaya kammam
「自分の身体の行為が淨らかになるように守る」

vaca kammam padakkhinam
「自分の口の行為が善くなるように淨らかになるように守る」

padakkhinam manokammam
「自分の心の行為が淨らかになるように静かになるように守る」

このように守る日はめでたいといわれています。このように自分の身・口・意の行為が淨らかになるために実践する日は常に、

《スナカッタン スマンガラン スッパバータン スフッティタン》
「Sunakkhatam Sumangaram Suppabhatam suhutthitam

《スカナ スムフット チャ スイッタン ブラフマチャーリース》
sukhana sumuhutto ca suyittham brahmacarisu」

「善い星、善い吉祥、善い夜明け、善い目覚め、善い一瞬、善い時間です。
このめでたい日に、自分の身・口・意の行為が淨らかになるために実践する人々への供養も善い供養です」

とお釈迦さまが説かれました。

自分の身・口・意の行為が淨らかになるために実践する日はSunakkhatam善い星、Sumangaram善い吉祥、Suppabhatam 善い夜明け、suhutthitam 善い目覚め、sukhana 善い一瞬 sumuhuttoca善い時間といわれ、めでたい善い日となります。そのような日に瞑想者、功徳行者を供養することもめでたいです。

皆さんは今年、平成25年のお正月にお寺に入って、三宝を信じて毎日戒律を守り、礼拝して、お釈迦さまのお経を唱えて慈悲の瞑想、ヴィパッサナー瞑想を実践して積むべき功徳を積んだあとは回向しています。とてもめでたいお正月です。このように自分の身・口・意の行為を守る功徳のエネルギーによって今年1年がおわるまでめでたくなります。お正月をこのように過ごすことは善い習慣です。このように理解して、今日という特別な日に特別な心で、心を込めて礼拝することが大切です。

もう1つのお釈迦さまの教えは、

Etam kho saranam khemam
「ブッダ・ダンマ・サンガという三宝を信じることは安楽であり、危険がなく心安らかに幸せになります」

Etam sarana muttamam
「三宝を信じる人々は最高に幸せです」

Etam saranam agamma
「お釈迦さまの徳と恩、法の徳と恩、比丘サンガの徳と恩を念じて実践する功徳によって、

sabba dukkha pamuccati

世界の中で出会うこともある地震や台風などの災害、この世界の危険から解放されます。それだけではなく、輪廻の中で最も大きな苦しみは老化して病気になって死ぬということです。これは輪廻の苦しみです。三宝を信じて、ブッダの教えに従って戒・定・慧を実践する功徳のエネルギーによって、世界の中で出会うこともある災害の危険から解放されることができます。それだけではなく、輪廻の苦しみである生・老・病・死からも解放されることができます」

と、お釈迦さまはこのように説かれました。説かれたとおり、過去世のエネルギー、カルマによって、今世のカルマ、努力、智慧によって、皆さんはお釈迦さまの徳と恩に出会いました。お釈迦さまの説かれた法に出会って今、実践しています。お釈迦さまの弟子である比丘サンガと出会って比丘サンガを尊敬しています。皆さんの過去のカルマも善いです。現在の皆さんの努力、智慧、カルマも善いので、皆さんは三宝に出会っています、めでたいです。三宝の教えに従って実践する吉祥ある人々になっています。とてもめでたいです。このエネルギーによって皆さんは信じてください。三宝を信じて積むべき功徳を積んで、お釈迦さまのシーラ・戒律、サマーディ・禅定、パンニャー・智慧を実践したので、世界の中で出会うこともある地震、台風などの災害という世界の危険からも解放されることができます。この三宝を信じて戒・定・慧を実践するエネルギーによって、積むべき功徳を積んだエネルギーによって輪廻の中で出会う最大の苦しみである生・老・病・死という輪廻の苦しみからも解放され涅槃に向かうことができます。このように信じて、自分の三宝を信じる心が高まるようにできるだけがんばってください。自分の戒律・禅定・智慧が高まるようにできるだけがんばってください。これは皆さんの戒・定・慧の力、皆さんの本当の波羅蜜です。
だから、お正月のこの新年に、お釈迦さまのお寺に入って自分の身・口・意の行為が淨らかになるために実践する日は、

《スナカッタン スマンガラン スッパバータン スフッティタン》
「Sunakkhatam Sumangaram Suppabhatam suhutthitam

《スカナ スムフット チャ スイッタン ブラフマチャーリース》
sukhana sumuhutto ca suyittham brahmacarisu」

「善い星、善い吉祥、善い夜明け、善い目覚め、善い一瞬、善い時間です。
そのめでたい日に自分の身・口・意の行為が淨らかになるために実践する人への供養も善い供養です」

このように分かって、心を込めてこれから礼拝しましょう。

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