ニャーヌッタラ大長老の説法
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お釈迦さまの教えに関係がある土地・建物の布施-1

2013(平成25)年12月15日
於 浄心庵精舎

2013年11月お釈迦さまの教えに関係がある土地、お釈迦さまの教えに関係がある建物を浄心庵精舎に開くお祝い儀式が行われました。そのときに、セヤードー(ニャーヌッタラ大長老)は、

Vihāra nanumodana

“お寺・精舎の布施に随喜すること”について説法しました。お寺・精舎についての説法は、今まで皆さんに説いたことがありません。そこで、今日は特別にお寺・精舎についての説法をすることにします。

Vihāra nanumodana

“お寺・精舎の布施に随喜すること”

Vihāra

とは、お寺・精舎という意味です。

nanumodana

とは、このお寺・精舎の布施に随喜する、喜ぶという意味です。
本誌にも掲載したように、上座仏教修道会の皆さんと関係者の人々の布施の功徳のお陰様で、お釈迦さまの教えに関係のある土地、お釈迦さまの教えに関係のある建物を浄心庵精舎に開くことができました。皆さん、それぞれ自分のできる範囲で布施して高い功徳を得ました。このように皆さんの功徳によって、お釈迦さまの教えを伝える場所が造られました。だから、今年1年の説法会のしめくくりとして、「お釈迦さまの教えに関係がある土地、お釈迦様の教えに関係がある建物」を布施する功徳について説法するのがふさわしいと思います。
前半に、「お寺・精舎を布施する目的と結果についての説法」を、パーリ聖典の律蔵 小部 住居の章 精舎について

からかいつまんで説法します。
そして後半には、お釈迦さまの説かれた 「何を布施すればいいか?」経 相応部経典 有偈篇42

について説法します。大事な説法なので、皆さんは喜びの心が生じると思います。

〜 前 半 〜

お寺・精舎を布施する目的と結果についての説法

お釈迦さまの教えに関係がある土地のことを、パーリ言葉では、

Buddha sāsanika bhūmi

といいます。

Buddha

とはお釈迦さま、

sāsanika

とはお釈迦さまの教えに関係がある、

bhūmi

とは土地という意味です。色々な土地がありますが、今回、上座仏教修道会の皆さんが布施する土地は、お釈迦さまに関係がある特別な土地です。特別な土地なのでもっと功徳が高いです。この特別な土地の上に建物が建ちます。この建物をパーリでは、

Buddha sāsanika bhūmi

といいます。日本語ではお釈迦さまの教えに関係がある建物、お寺、精舎という意味です。お釈迦さまの教えに関係がある建物なので普通の建物と違います。
お釈迦さまは、比丘サンガが四資具の布施を受け取ることを許しました。四資具とは①衣 ②食べ物・飲み物 ③お寺 ④薬、これら4つです。この4つの中で3番目であるお寺

(Vihāra)

、お釈迦さまをはじめとして比丘サンガが住んでおられる建物、お寺を布施することも大事な布施です、とお釈迦さまは説かれました。このようなお釈迦さまの教えに関係がある土地、お釈迦さまの教えに関係がある建物の布施は行うべきことです。行うべきこととわかったから上座仏教修道会の皆さんはこの布施をしました。

このように布施したら、今世も来世も住むための土地にも、住むために建物にも困らないようになります。今、セヤードーも上座仏教修道会の皆さんも、自分の住む土地に困らないのは過去世のカルマ、今世のカルマの結果です。今現在、住んでいる建物にも困らないのも、これは過去世のカルマ、今世のカルマの結果です。過去世と今世で、土地・建物を布施した功徳のエネルギーによって、皆さんはこのように、自分のふさわしい土地、建物で楽に住み、ブッダ・ダンマ・サンガの三宝を信じて積むべき功徳を積んで自分の家族と暮らすことができました。

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