世界から解脱するための5つのこと−3
2008(平成20)年1月15日ウポサタ
於 淨心庵精舎での夜の法話
2.自分の身体に気をつけること
それでは2番目について続けましょう。2番目にお釈迦さまは“自分の身体に気をつけること”について教えられました。自分の身体が元気になることは幸せなことです。身体が元気にならなければ幸せではないことは、皆さんもはっきりわかっています。正しいことを信じる心があっても、身体が元気でなければ功徳を積むこともできない。
長老はいつも寒さ暑さについて、皆さんに「お元気ですか、身体に気をつけてください」などとしばしば話しています。これには原因があります。身体が元気でなければ、どのように戒・定・慧を実践したくとも実践できません。ですから、寒さ・暑さ・季節の変化などによる自分の身体の変化に常に注意集中して気づくために、長老はいつも教えています。正しいことを信じていても、皆さんの身体が元気でなければ何もできません。ある人はとても信じる心が強いですが、病気になると何もできません。自分の身体に病気がなく元気なことは本当の幸せです。このことを皆さんはっきりわかってください。
自分の身体が元気であるためには毎日の生活で自然にそった生活をすることです。歩く、立つ、座る、寝る、この4つ、行住坐臥《ぎょうじゅうざが》の調和が得られるように生活してください。ヴィパッサナー瞑想を実践している人は、毎日歩く瞑想、立つ瞑想、座る瞑想、寝る瞑想を実践しているから、身体のバランスが取れていると思います。このように生活をするとき、身体は元気です。だから、心も元気になります。身体が元気になることが大切なことです。
また、自分の身体が元気になるためには、季節、気候によく注意し、暑さ・寒さに気づいて生活をし、自分の住む場所で瞑想する時も、勉強する時も、寝る時も、住む場所に注意集中して、ふさわしいところで住むようにしてください。きれいになるように掃除してください。その時、心身ともに元気になります。
もう1つ注意すべきことは、食べ物・飲み物です。食べ物・飲み物、薬など適当に必要なだけ取って、よく消化される時、自分の身体は元気になります。この食事についても長老はしばしば教えています。この身体が元気になるために、気づいて注意しながら食事をして暮らしてください。なんでも過ぎると病気になります。ほどほどがなんでも善いのです。ヴィパッサナーの智慧ある人は自分の適量の部分を必要なだけとって食べたり飲んだりすることが上手です。このように“自分の身体に気をつけること”は、自分の戒定慧が高くなる原因になります。
このように、お釈迦さまは2番目に“自分の身体に気をつけること”を教えられました。