世界から解脱するための5つのこと-4
2008(平成20)年1月15日ウポサタ
於 淨心庵精舎での夜の法話
3.心を真っ直ぐにすること
Asaṭho hoti amāyāvi
とお釈迦さまは戒められました。
Asaṭho
のAとは「ない」という意味です。
saṭho
とは「ずるい」という意味です。組み合わせると「ずるさがない」という意味になります。
この
saṭho
「ずるい」とは、自分にない徳をあるように見せかけることをいいます。
Hoti
とは、「である」という意味です。
Amāyāvi
のAとは「ない」という意味です。
Māyā
とは「ごまかす」という意味です。組み合わせると「ごまかしがない」という意味です。
Māyā
「ごまかす」とは、自分の欠点・間違いを隠すことをいいます。
Asaṭho hoti amāyāvi
ずるさがなく、ごまかしがないのである
という意味になります。
このような“自分にない徳をあるように見せかける”という煩悩、“自分の欠点・間違いを隠す”という煩悩から離れている人はとても少ないです。
戒律を守り、波羅蜜を積んでいる人々は、そのような曲がった心、悪い心が自分の心にも生じないように、周りの人々の心にも生じないように気をつけるべきです。このようなずるさ、ごまかしの煩悩から離れるとき、心は真っ直ぐになります。信頼できる人になります。真っ直ぐな心、正直な心、善い心を育てるように努めてください。
正しいことを信じて自分の身体が元気でも、心が間違っているとき、色々な問題が起こります。ずるい心でやらないで、真っ直ぐな心を育て、慈悲をもって、正直な心、素直な心で生活すれば自分の人生にも善い、周りの人々にも善い。お互いにうれしいです。世界にも善いことになります。そして解脱・涅槃に向かう原因にもなります。ですから、お釈迦さまは、自分の心に常に気をつけて、素直な心、正直な心になるようにと教えられました。このお釈迦さまの教えをよく守って生活してください。なぜ、お釈迦さまは心を真直ぐにすることが大事なことと教えられたのか、皆さんもわかると思います。どのように正しいことを信じても、身体が元気でも、心が真っ直ぐでなければ難しいです。心が間違っているとき、色々な問題が起こります。だから、自分の心にいつも気づいて注意してください。自分の心が一番大切なことです。