ニャーヌッタラ大長老の説法
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6月の満月の日に説かれた「大集会経」-3

2016(平成28)年6月20日
於 満月のウポサタ淨心庵精舎での朝の法話

カピラ城跡の仏舎利塔

カピラ城跡の仏舎利塔

6つの性質とぴったりの説法

  1. 貪りの性質が強い神々・梵天には、サンマー パリッバーザ ニヤ スッタ《正遍歴経(しょうへんれききょう)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「貪り・執着で心が汚れないように実践するために説かれた教え」です。
  2. 怒りの性質が強い神々・梵天には、カラハ ウィワーダ スッタ《闘争経(とうそうきょう)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「けんかや争い、憎しみの原因である貪り・怒り・無明を消すための戒・定・慧を実践するために説かれた教え」です。
  3. 無明の性質が多い神々・梵天には、マハー ビューハ スッタ《並(なら)ぶ応答長部(おうとうちょうぶ)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「間違っている主義に固執する邪見と争う心をなくすための戒・定・慧を実践するために説かれた教え」です。
  4. 考えや想念の性質が強い神々・梵天には、スーラ ビューハ スッタ《並(なら)ぶ応答小部(おうとうしょうぶ)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「智慧のある人、智慧のない人、正しい人、間違っている人、賢い人、愚かな人を比べて、智慧ある人、正しい人、賢い人になるように実践するために説かれた教え」です。
  5. 信じる性質が強い神々・梵天には、トゥヴァッタカ スッタ《迅速経(じんそくきょう)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「三宝を信じるように、智慧と共にある信を持つ人になるように実践するために説かれた教え」です。
  6. 覚性の性質が強い神々・梵天には、ブラーヴェダ スッタ《死前経(しぜんきょう)》を説きました。
    そのスッタ(お経)の意味は、
    「特別の戒・定・慧の力で煩悩が滅尽したアラハッタ(阿羅漢)の特性について説かれた教え」です。

このようにお釈迦さまは各々の性質の違いによって、各々に対機説法を、お釈迦さまの智慧で説かれました。 (この六つのスッタ(お経)は、小部経典・スッタ ニパータ(経集)を参照してください)

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