ニャーヌッタラ大長老の説法
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2月の特別な満月の日−2

2022(令和4)年2月15日
於 新・淨心庵戒壇

この時、甥のディーガナカ遊行者は預流者となり三帰依をしてお釈迦さまの弟子になりました。

お釈迦さまはヴェーダナー パリッガハ ラッカナスッタを太陽が沈む前に説法を終えられ、その後、ギッジャクダ山から下りてこの頃住んでおられた竹林精舎に戻られました。竹林精舎には、比丘サンガが大勢おられました。お釈迦さまが覚りを得て最初に説いた初転法輪経を聴かれた、ピンサワッギヤ(Pañcavaggiyā bhikkhū)といわれる五人の比丘である、コンダンニャ(Koṇḍañña)、ワッパ(Vappa)、バッディヤ(Bhaddiya)、マハーナーマ(Mahānāma)、アッサジ(Assaji)たちをはじめとする阿羅漢の比丘サンガたちは、このような満月の日に竹林精舎に揃っていました。また、お釈迦さまが覚りを得られて9ヶ月の間に阿羅漢になった比丘サンガたちも竹林精舎に揃っていました。サーリプッタ尊者、モッガラーナ尊者も阿羅漢になるこの時期はとてもにぎやかです。数えれば、1250人の阿羅漢、比丘サンガたちが今日のような満月の日に集まり、阿羅漢聖比丘サンガが揃う大集会になりました。
大集会についての特徴は次の通りです。

阿羅漢聖比丘サンガの大集会

  1. ウポサタの日(お釈迦さまが正覚を得られてから9ヶ月経った満月の日)の事である。
  2. お釈迦さまと比丘サンガ1250人は、誰かに招待されたわけではなく、奇しくも自然に集まっておられた日。(仙人から出家した千人の比丘とサーリプッタの弟子250人の集合である)
  3. この比丘たちはすべてエーヒビック(阿羅漢聖比丘)である。
  4. すべての比丘サンガは六神通力のある阿羅漢聖比丘サンガである。

以上4つに満たされた「サーヴカ サンニパータ」という初めての阿羅漢聖比丘サンガの大集会がありました。この集会でサーリプッタはお釈迦さまの右腕で智慧第一であり、モッガラーナは左の腕で神通力第一でした。お釈迦さまはエッガサーヴカ(第一の弟子)の地位をこの二人に与えられました。
この阿羅漢聖比丘サンガ大集会でお釈迦さまは戒律についての一番目の教えとして昔からの諸仏が教えた次のような「オーヴァーダ パーティモッカ(教え戒め・戒律)」3つの偈文を唱えられ教示されました。

諸仏が教えられた3つの偈文

1.
Khantī paramaṁ tapo titikkhā |
nibbānaṁ vadanti buddhā ||
Na hi pabbajito parūpaghātī |
samaṇo hoti paraṁ viheṭhayanto. ||

(Dhp184)

忍耐こそ最上の修行である
涅槃は最高の境地であると 
諸仏は教えている
また他人をいじめるものは 
比丘ではない
他人を害するものは 
比丘ではない

2.
Sabbapāpassa akaraṇaṁ |
kusalassa upasampadā ||
Sacittapariyodapanaṁ |
etaṁ buddhāna sāsanaṁ. ||

(Dhp183)

全ての悪を為さず 
進んで善を為し
心を淨らかに保つ 
これが諸仏の教えなり

3.
Anūpavādo anūpaghāto |
pātimokkhe ca saṁvaro || Mattaññutā ca bhattasmiṁ |
pantañca sayanāsanaṁ || Adhicitte ca āyogo |
etaṁ buddhāna sāsanaṁ. ||

(Dhp185)

他人を非難せず、
害を加えることなく 
戒律をよく守り
食事において適量を知り 
人里離れて一人で住み
禅定に努力する 
これが諸仏の教えなり

(続く)

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