2005-2006(平成18)年 年末年始10日間宿泊瞑想会に参加された方の感想
私は平成17年12月29日~平成18年1月8日の間の10泊11日及び平成18年4月29日~5月6日の間の7泊8日、浄心庵で行われたヴィッパサナー瞑想会に参加いたしました。
ニャーヌッタラ長老の熱心な御指導のおかげで、ブッダの教え(仏教)とヴィッパサナー瞑想の基本的なことについてなんとか理解できたのではないかという気がしております。
浄心庵で行われているヴィッパサナー瞑想会は非常にすばらしいものなのでその特徴を紹介させていただきます。
ヴィッパサナー瞑想のメッカであるミャンマー上座仏教のセヤドー(長老)から「日本語」で指導を受けられます。
HPの指導比丘のご紹介にもありますが、ニャーヌッタラ・セヤドーは1996年に来日され、まず日本語学校に入学され、日本語の習得に努められました。日本語の仏教用語にも精通されており、パーリ聖典の内容を適切な日本語で表現していただけます。例えば、「ヴィッパサナー瞑想は五蘊(色・受・想・行・識)は無常であるゆえ、苦であり無我であると観る。」といったふうに説明していただけます。
瞑想者一人に約1時間のインタビューの時間がとられています。
セヤドーには仏陀が行ったとされる「対機説法」と同様に、瞑想者の能力や資質に応じて分かりやすく仏教、ヴィッパサナー瞑想を指導していただけます。スケジュール表ではインタビューは、14:00~ となっていますが、瞑想者が多いときには午前中から行われました。
非常に充実した時間となりますが、真にこの時間を生かすためには、瞑想者の側が疑問点を持って臨むことが必要となります。
瞑想の時間は瞑想者の自律にゆだねられています。
浄心庵時間割で定められているのは 4:30 起床、5:00~ 自由瞑想、6:00~ 朝食、7:30~ 礼拝、11:00~ 昼食、14:00~ インタビュー、16:00~ シャワー、18:00~ 自由瞑想、21:30 就寝 ぐらいです。時間の管理は基本的に瞑想者に委ねられています。
瞑想者の中には深夜まで瞑想したいと考える人もいらっしゃるかと思いますが、セヤドーは苦行的な方法は望んでおらず、眠る時間は眠った方が良いとのお考えです。
なお、瞑想会に初めて参加する方は、できれば10日間ぐらい日程を取るのが望ましいようです。
瞑想者には個室が与えられます。
カーテンで間仕切りをした部屋もありますが、瞑想者には個室が与えられ、望むならそこで瞑想することもできます。
日本の瞑想会や座禅会では大人数が一つの部屋で寝る場合が多いと思いますが、浄心庵では瞑想者が、他から煩わされないで自分を観ることに専念できるようにというセヤドーの考えに沿って個室が用意されています。
当然多くの人が瞑想会に参加することはできませんが、熱意ある少数の瞑想者を徹底して指導したいというのがセヤドーの方針です。
なお、平成18年5月にメンタルフレンドハウスがオープンしたため、今までよりも多くの瞑想者を受け入れることができるようになったようです。
浄心庵の周辺は小規模の閑静な別荘地です。
浄心庵は鹿島臨海鉄道の鹿島灘駅から2~3キロの防風林に囲まれた一団の畑地を開発したと思われる別荘地の一角に建っています。近隣には浄心庵に関係する家屋のほか、7~8軒の別荘があるだけです。周辺地区は同様の畑地が多く、瞑想を妨げるものはほとんどありません。
以上、私は、浄心庵はヴィッパサナー瞑想修行を行う日本で最良の場所であると信じています。
ブッダの教え(仏教)は「生き方」を示すものであり、ヴィッパサナー瞑想は生きるための力を得るものです。
私は浄心庵で学んだヴィッパサナー瞑想を実践することにより「気付き」の力を強め、貪り、怒り、無明、高慢といった煩悩や渇愛から離れて、心穏やかな生活を送れるよう精進してまいりたいと思っています。
多くの皆様と「道友」となれることを願い拙文を終わりとします。
全ての生きとし生ける者は健やかであり、危険がなく、心安らかに幸せでありますように。
山本 正美