東日本大震災の被災者、関係者の皆様へのお見舞に添えて
東日本大震災の皆様、救助に携わるすべての関係者の皆様、この度の未曾有の大震災に対して、その悲しみと苦しみは如何ばかりでしょうか。心からお見舞申し上げます。
ただただ、“すべての被災者の皆さまのお心の痛みが少しでも和らぎますように”、“苦しみがなくなりますように”と必死に念じ申し上げ続けるばかりでございます。
最近、当会より「テーラワーダ仏教が伝える“慈経”」が出版されました。会員一同は、被災者の皆様に心を寄せ、心を込めて慈しみと悲(カルナ−)の念をお送りし、各々が出来る限りの慈悲の実践をされていることと信じております。
会員のお一人(大学の先生)は早速数日前、福島の友人の被災地へボランティアとして出かけられました。
仏教徒である私たちは、この状況の中で「何をするべきか」「何が出来るか」と自分自身に問うております。そしてまず一番にすべきことを考えて、当会からは出来るだけの義援金を赤十字社を通して被災地へ送らせていただきました。また日が経つにつれて「電気の問題」、日頃私達の貪りが如何に多いかを痛感させられ、極力節電、今日命あることに感謝し、徹底した簡素な生活を実践する決意を新たにさせられました。
これは“慈しみ”を実践する者の“なすべきこと”として、お釈迦さまが教えられています。
また一方、世界諸国の人々からは、日本人の節度、忍耐、努力などの精神的強さに驚きの声が寄せられておりますと同時に、世界各国の人々から日本の被災者への祈りや支援が多く送られてきております。
このような国難の中であっても、被災者の方々がよく忍耐し、お互いを信じ、助け合う。そして、明日への希望を失わない。このような素晴らしい精神の力を先祖から受け継がれてきていることを、改めて日本人の誇りと思い、敬意と感謝の心で一杯になります。
近年の世界中の自然災害や不安危機の状況は、まさに人類のカルマの結果として受け止めざるを得ません。
“無常”のこの世界、暗闇の中でも必ず明日がある。そのことを信じて、被災者の皆様とすべての人々が一緒に元気を出して、今、今、出来ることをして参りましょうと心に誓い、周囲の皆様にも呼びかけてゆきたいと思っております。
そして、介護、医療、消防、警察、自衛隊、救援復興にわが身を顧みず、任務に携わっておられる崇高なまでのお心の関係者の方々にも、深く尊敬の念をもってご無事を祈り、感謝と慈悲を送らせていただきたいと思っております。
「すべての人々が苦しみがなく、心安らかでありますように」と深く念じ申させていただきながら。
2011年3月20日
上座仏教修道会
代表 竹田 倫子